Edo Kaijou純米吟醸 原酒
いしどう
オレンジ色の酸味。
最初は夕陽のオレンジかと思った。
でも、そこまで大きなスケールじゃない。
じゃあ、ロウソクの灯?
そこまで小さくないし、消え入りそうな儚さはない。
陰と陽、どちらかといえば陽を感じる。
口開けから四日。
やっとイメージできた。
ガス燈だ。
夕陽から分けてもらったオレンジ色を絶やすまいと、夕方に点灯するガス燈。
まだあたりは明るいが、ガス燈は光を放ち始めている。
昼と夜のあわいを繋ぐオレンジ色のバトン。
明るすぎない絶妙な酸が、最後に舌を痺れさせながらゆっくり消えていく。
なんでもない一日をねぎらってくれるような、なんでもない自分をそっと照らしてくれるような橙色のお酒でした。