もはると
唎酒師の資格を取得するときに勉強したことだけど、日本酒を4つに分類したもののうち、主に古酒などが該当する「熟酒」に合う料理は、鰻の蒲焼や佃煮など、味の濃いものがよいとされています。
…とはいえ、なかなか日本酒の古酒に出会う機会は少なく、大抵飲食店でいただくのは、前の年に獲れた米で仕込んだ新酒やひやおろしなどばかり。
ただ、ここは違いましたね。ラベルに2020年とか、平成30年とか書かれていて、蔵で数年間寝かせたものを、今年瓶詰めしたものばかりを集め、それを燗につけて出してくれます。うっすら黄金色になった液体からは芳醇な香りが立ち上ります。
それに合わせる料理は、淡白な刺身ではなく、味の濃いマグロのとくに脂身の多い頭部の肉や、猪、鴨、鹿といったジビエ。そして、イカと里芋を濃厚な肝のソースで絡めた炒め物。合うよね〜。酒も料理も個性を主張してきて、負けず劣らずの戦い。
吟醸酒で近海ものの刺身、もいいけれど、たまにはこういうガツンとくるものもいいですね。