コメントをプログラムが解析して風味の特徴を分析しています。
コメントを解析してお酒の特徴を表す単語を抽出しています。銘柄全体での扱いにつき全体の特徴を表現するものとしてご参考ください。
甘みと酸のメリハリでインパクトを作る昨今流行の日本酒と比べると、
甘みも酸も控えめで穏やか。しかし決して物足りなさはなく、
むしろ上質な美味しさを心静かに楽しめる滋味深い魅力に心を打たれます。
これは晴れの日のお酒ではなく卦の日の味わい。
上質の普段着で身を包むような心地よさを楽しむべきお酒なのです。
酒はコミュニケーションツールのひとつと言い切る高嶋一孝氏。
いろいろな造り手が様々な思いを込めて造られる日本酒ですが、
白隠正宗はお酒の存在自体もさりげなくありたいと願っているようです。
攻め込んだ味わいを自慢するのではなく、
白隠正宗はあくまで人と人の間に存在して場を演出する柔らかなツール。
そのためにも、味わいは抑制が効いていて慎ましくあるべき。
なるほど、白隠正宗の理念と味わいには一貫性を感じます。
そういった日本酒の立ち位置を、高嶋さんは大学時代に蕎麦屋で学んだというから驚きです。
「最高の日本酒は蕎麦前にある」という信念には、
熟練の飲み手としての圧倒的な経験を感じさせます。
造るより飲むほうが好きというくらいに飲める造り手なのです。
そう、飲める造り手が造るのは量を飲むための酒。
「地酒は地物と一緒にあるべき」という、
沼津自慢の鯵の干物でダラダラと飲めるさりげない魅力が白隠正宗の持ち味です。
日本酒造組合の技術委員を担う高嶋氏は、
ワインやウイスキーなどの世界の銘醸酒にも造詣が深く、食の知識も実に豊富。
その高嶋氏が、ここまで余計な要素を削ぎ落としたソリッドな味わいを造り続けていることに、
博識に裏打ちされた強固なスタイルを感じ取ります。
多趣味で話題が豊富な高嶋氏は、同世代蔵元の思想的主柱を担っているようです。
「妙味必淡」。真に美味しいものには必ず淡くして魅力的な要素があるものです。
そうした押し引きの要点を捉えた白隠正宗は、奥深いところで本当の豊かさを伝えてくれる味わいです。
「生もと製法」「乳酸無添加速醸」「蒸し燗」などのディテールも心をくすぐります。
古典を現代的解釈で紐解いたかのような滋味あふれる魅力にぜひ触れていただきたく思います。
by朧酒店 大熊
朧酒店HP 白隠正宗https://www.oborosaketen.com/theme812.html
みなさまのコメントを解析しておすすめの銘柄を選んでいます。