福井県鯖江市の酒です。
メガネの街鯖江。私も3年くらい住んでました。
結婚祝いの席で揺らめく蝋燭の炎から取られた「華燭」。大正天皇の成婚を祝してつけられたとか。
まずは素直に米らしさを感じる強めの甘みに、この甘みを舌で突っつくと湧き出す辛味。わずかなひね香や粕のようなちょっとした渋さと硬さを含んだ味も。何百年も飲み継がれている田舎酒(そういう酒好きです)って感じの味。
温めるとどうか。
だいぶ味がほぐれ、甘さ辛さが同時に膨らむ。ひね香や粕の硬さは和らぎ、強めの甘みもぶち当たらず、辛味と渾然となる。柔らかくなりだいぶ飲みやすい。飲み疲れせず、なんにでも合わせやすくなり、かなり食中向け。
それこそ、普段の晩酌から、華燭の宴でみんなで酌み交わす酒まで、シーンを選ばない使い方ができそうである。
同じ蔵元には「越前国府」という銘柄の酒もあるのですが、これは鯖江の隣町越前市(旧武生市)にある、紫式部が1年ほど京を離れて暮らした場所のこと。奇しくも来年の大河「光る君へ」の主人公は紫式部。越前国府での出来事も作中で描かれたりするのでしょうか···。