「簗瀬(やなせ)」命名の意図
而今の「大吟醸 簗瀬」は、地域の歴史や風土を後世に伝える思いから命名されました。かつて蔵が所在する三重県名張は「簗瀬(やなせ)」とも呼ばれ、名張川では鮎漁が盛んで、簗(やな)と呼ばれる鮎捕りの柵が多く設置されていたことから、「簗瀬」と名づけられた由来があります。簗瀬村は明治時代に行政上「名張村」に改称されましたが、簗瀬という名は長く受け継がれ、この地域の歴史や風土を語る上で欠かせないものです。また、東大寺のお水取り行事なども関わりが深く、当時の奈良平野や名張川は材木の運搬路としても重要でした。この「簗瀬」という名には、名張の旧称を受け継ぐことで地域の文化や歴史を未来へと語り継ぐ意志が込められています。