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純米吟醸 夏酒 金魚ラベル 金魚ラベルと言いながらぱっと見は銘が記してあるだけの真っ白なラベル。しかし瓶を回して裏から覗けば酒の中を泳ぐ金魚の群れ。なんとおしゃれな演出か。 日本酒の世界に足を踏み入れて間もない頃にこの酒に出会ってしまったが運の尽き。毎年夏になるとラベルを裏から覗き込んだ時のあの感動を思い出すべく買い求めてしまうのだ。 肝心の味ももちろん言うことなし。キレがありやや辛口。小気味よく爽やかでな味わいは涼やかに揺蕩う金魚が如し。夏酒のイメージをそのまま抜き出したかのような味であり、一口ごとに夏の記憶が味蕾から脳に直接流れ込んでくるかのよう。 毎度のごとくいわゆるモダンな味よりも古き良き実直な、それでいて時代遅れの感はない酒を醸す蔵であると思っているのだが、今回も例に違わずらしさ満点、まさに阿部勘ど真ん中の夏酒といったところ。
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純米大吟醸 三米八旨 さんまいはっしと読む。三種の米をかけ合わせて醸した、八つの旨味が咲き乱れる酒であるとのこと。宮城県で最も好きな酒であるところの宮寒梅の作であるためそれはもう美味い。 磨かれているだけあって非常にお上品な味わい。どっしりした甘さがベースにあるため全体の味わいが拡散してしまうことなく纏められている。当然甘さの主張が激しいなどということはなく、純米大吟醸の気品を損なうことなくしかし味わい深く、後味は香り高く、米の旨味も存分に感じさせてくれる。 八つの旨味の銘が通りの複雑妙味はまさに傑作。おお我らが宮寒梅。讃えよ宮寒梅。
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純米吟醸 別仕込 ねこと日本酒が好きな人はみんないい人です ジャケでも銘柄でも迷わず買いの萩の鶴猫ラベルシリーズ。インスタグラマーの皆様は是非お試しください。 甘いであることが多いが、今回は甘さ控えめで酸味をやや多めに感じる。香り高いというほどではなく、後味も穏やか。しかしよくよく味わえば緻密な硝子細工が如く、全ての味覚を過不足なく絶妙なバランスで組み合わせてこの味を成り立たせているのだとわかる。 派手でこそないもののゆるゆるといつまでも付き合っていられるこの酒の魅力は、涼風受けて心地よく、されど確かに響き渡る風鈴の音に似ているのかもしれない。
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SEASONⅡ episodeⅡ 萩の鶴 style 宮城県の7つの蔵が年に一度共同で酒を造るプロジェクト。毎年リーダーとなる蔵が変わり、九年目である今年の作は山和酒造と萩野酒造がそれぞれリーダーを務めた計2本。これは萩野酒造の版。 山和酒造版も大変に美味かったが普段からより飲んでいるのは萩の鶴。従ってこちらにはより大きな期待がかかる。 してその味はといえばもうこれ以上ないのではというほど美味い。 普段の萩の鶴をベースにあらゆる方向に味がのばされ、それでいて全体のバランスは完璧。甘く華やかな香りと呑み口。瑞々しさ満点で芳醇なボディ。外枠にほのかな酸味を纏いつつ、心地よい旨味が緩やかに広がる後味。終始甘さを軸にしつつ、飽きやしつこさを一切感じさせないように移ろう味覚は百点満点中五千億点。 酒自体の完成度はもちろんのこと、私の好みど真ん中の味わいに笑みをこぼさずにいられない。 こんなに美味い液体が本当に実在して良いのか。夢ではないのか。ただ出逢いに感謝。
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SEASONⅡ episodeⅡ 山和 style 宮城県の7つの蔵が年に一度共同で酒を造るプロジェクト。毎年リーダーとなる蔵が変わり、九年目である今年の作は山和酒造と萩野酒造がそれぞれリーダーを務めた計2本。これは山和酒造の版。 毎年非常にレベルの高い酒が醸され、それでなくても好きな蔵が7つ集まっているのでもはや美味いのは分かりきっており、どのように美味いのかが問題になってくる。 さてこちらの味わいはといえばそんな高い期待を軽々飛び越える完成度。 ややすっきりした香りと柔らかな味わい。呑み口はシャープな感じを出しつつも、所謂キレのある味ではなくあくまで旨味を大切にしている感じ。それを柑橘の皮を思わせる爽やかな苦味と酸味が追いかけ、後味には仄かな甘さをまとった旨味が穏やかに残る。 普段の山和の味わいをベースにしつつ、私の好みな華やかで旨味深い方向に味が伸ばされており言うことなし。料理に合わせてよし酒と水だけで楽しんでよしの万能さ。 毎年これだけの酒が出てくるDATE SEVEN。我が故郷宮城の酒蔵の皆様の努力に心底頭の下がる思いと、そして同郷であることの誇りを抱き今宵も幸せな酒。
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特別純米酒 まつばら源泉 宮城県は栗原市、金の井酒造の作で、同じく宮城県にあり奥州三名湯に名を連ねる温泉地、鳴子温泉の湯を使って仕込んだ酒であるとのこと。 穏やかな甘みと、後味にほんのり酸味。派手ではないが気品のある味わい。 特筆すべきは口当たりの良さ。温泉水仕込みの効果かはわからないがただの水とは違う、柔らかで滑らかな舌触りで楽しませてくれる。 温泉に浸かっているときのような心地よさに身を任せ、ゆるゆると味わうことのできる一献。良い。
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純米大吟醸 贅撰 魂に染み渡る酒宮寒梅 まず第一に非常になめらかな舌触りである。そして味が濃い。正確に言えば味の密度が濃い。口に含んでから呑み下すまで一息もつかせず酒と向き合うことを求めてくる。 味蕾に訴えかけるは透き通るような甘み。鼻を抜ける吟醸香。強すぎず淡すぎず心地よい余韻に浸らせてくれる旨味。それらが調和する様には美しささえ覚える。 何より困ったことにこの味のどの一瞬を切り取っても大変に美味いので、盃を傾ける手が止まらなくなり徳利は空になる。 げに恐ろしき宮寒梅。見ても絶対に買ってはいけないし呑むだなんてもってのほか。かような危険物は私の方で回収しておきますので送っておいてくださいませ。
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純米吟醸 ひと夏の恋 恋は何度しても良い。よってどれだけ飲んでも良い。 毎日のように飲んでも飽きぬこの味はまさに究極の食中酒。
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純米大吟醸 吟星四十 何やら見慣れぬラベルの墨廼江だが吟のいろはで造った純米大吟醸であるとのこと。 吟のいろはとは最近宮城県が開発した酒米の名前であり、細かい説明は省くが宮城の酒がこれを使って酒を造るととても美味い。 純米大吟醸の華やぎと吟のいろはのあふれる旨味の調和が美しい。一言で言えばこれだけなのだが、この気品ある味わいを保ちながらこれどけ深い旨味に浸らせてくれる酒がこの世にどれだけあることか。 出会えた幸せに感謝を。
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純米吟醸 ひと夏の恋 毎年この季節になると出回る酒なのだが見かけるたびに買っては一日で四合空にするのを繰り返すことになり非常に困る。困らない。年中売っていてほしい。この気持ちは恋なのかもしれない 普段の伯楽星の方向はそのままに、やや華やかさが増しており夏酒らしく瑞々しい味わい。奥の方から仄かに甘酸っぱさが顔をのぞかせ、なるほどこれが恋の味。 おしゃれなラベルも相まって個人用から贈答用、ひとり酒でもふたり酒でも楽しめる酒。お見かけの際は是非によろしくお願いいたします。
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Quarteto 宮寒梅と同じ宮城県大崎市は寒梅酒造の酒。 一口飲んだ印象は水のよう。しかしじっくり味わってみれば、甘みを外側に奥ゆかしくも複雑妙味を感じ取れる。 なまじ派手さがないだけに気づけば盃が空になり非常に危険な酒であることが伺える。 みてくれの華はなくともそこにある。銘の通り新緑に響く鶯の声が如き酒である。
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純米大吟醸 限定生酒 醇麗純香 宇宙で一番好きな酒、宮寒梅。 都内で扱っている酒屋を見かけたが運の尽きであり、今後長らく宮寒梅を求め通い詰めることになるだろう。 コク深い甘さをベースに僅かな渋み苦味が添えられ、いくら呑んでも飽きがこない。 生酒ゆえか普段より瑞々しい印象。それが甘さと完璧に調和して精緻な切子細工を思わせる美しい味わいを生み出す。 魂震わせる至上の酒である。
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宝船浪の音 純米吟醸 吟のいろは 閖とは同じ蔵の別ブランドで、赤貝で有名な宮城県閖上の蔵。 吟のいろはとは最近開発された宮城産の酒米で、細かいことはともかく宮城の酒蔵と相性が良い。と思う。 宮城県隠れた名酒ランキング堂々一位(私調べ)の酒。 強めに一気に広がるアタックはやや乱暴さがあるものの、そこから悪い味が残ることなくほんのりとした苦味と甘みだけを残して潔く消え去る後味が続き、さっぱりと味覚を洗い流していく様はその銘の通り浪を思わせる。 流石閖上の蔵。魚介、特に貝類やホヤとの相性に非常に優れるのではなかろうか。
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純米大吟醸 吟のいろは 吟のいろはとはここ最近宮城から生まれた酒米。後味の旨味が強くなる傾向がありそれが宮城の酒によく合う。 そんな吟のいろはを新澤醸造店に扱わせたらまあ美味い酒ができるに決まっているのだ。 口に含んでから後味まで、透き通るような爽やかな旨味が一貫して感じられる。それでいていつもの奥ゆかしい味わいをそのままに残しているために飽きが来るということもない。 酒米の特徴も酒そのものの味も最大限に引き出した名作。
Hidakami純米吟醸生酒
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純米吟醸 うすにごり生酒 酒をジャケ買いしそうなとき、外れだったらどうしようと言う迷いの生まれることはあるものの、見知った蔵であればまあ問題あるまいと四の五の考えずに籠に放り込んでしまえるわけで、酒との出会い蔵との出会いに感謝感謝。 ラベルではなく瓶に直接プリントされたるは大変に可愛らしい海洋生物達。水族館イメージらしいが水族館に鯨はいないだろ。いいけど。 旨味と香りがふわりと広がっては溶けるように消えてゆく淡雪を思わせる味わいで、物静かに佇まう様からは侘び寂びすらも感じられる。 その穏やかさは食中酒向きであるような、しかし立ち消える後味と向きあうために単体で楽しみたいような、なんとも言えない魅力を放つ。 しんしんと雪降る夜長にいただいてああ美味いなとひとりごつ。そんな楽しみ方の似合う一杯であると思う。
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ヤマカン 同じく宮城の蔵である勝山酒造とのコラボ酒で、去年に続き2度目。DATE SEVENのように担当する工程を分けるのではなく、それぞれで 造った酒をブレンドするという形のコラボ。 派手さはないが実直に米と向き合い一本芯の通った酒を醸す阿部勘と、香り高く鮮やかに品の良い酒を造る勝山。美女と野獣がごときある種の対称性を有した2つの酒蔵が交わって生まれる酒はやはり名作。 爽やかな香り、シャープに広がりながらもエッジ部分は華やかな輪郭、ふくよかな旨味。両者の良さが完璧に調和した非常に完成度の高い仕上がりになっている。 日本酒のブレンドなど考えたこともなかったが簡単なことではないだろう。いわんや方向性の異なる2種を混ぜる場合をや。それをここまで仕上げてくる技術力は並大抵のことではない。流石である。
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生酛 純米 雄町 同じ蔵の萩の鶴は軽く爽やか、対して日輪田の銘の酒は飲み手に真剣勝負の取り組みを要求してくる酒のような節がある。 芯を感じない不思議な味わい。悪い意味ではなく、淡雪のごとくふわりと崩れ旨味が舌に染み込んでくる非常に柔らかな味。後味の旨味は段々と強く感じられ、最初から最後まで味が移ろい続けて大変に楽しい。 宮城の酒で生酛とくると面食らうこともあるかもしれないが是非にお手にとっていただきたい。
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一白水成。美味いのは当たり前。どう美味いのかを語るべき酒。 しかしその魅力を詳細に語ることは難しい。奇々怪々複雑妙味、奥の奥まで絡み合った五味が描く調和を前に私の味覚と語彙はすべてを投げ出しただ美味いとのたまうことしか出来なくなるためである。 月並みな言葉で語ることは無礼に当たると感じさせるほど気高く、しかし魂の故郷を思い起こさせるほど暖かい。あるいは日本酒の形をした芸術であるのかもしれない。
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ハロウィン専用酒 なにかとイベントに合わせた酒を出している気がするおぜゆきさん。裏ラベルにもハッシュタグいっぱい載せちゃう現代っ子ぶり。 ラベルの通りポップでキャッチー、きゃぴきゃぴした味がする。酒!水!塩!という感じではない。刺し身ではなくカルパッチョに合わせる感じ。 口に含んだ瞬間から飲み落とすまで徹底して甘み先行、後味もあくまで甘みがメイン。されど大吟醸の華やかさに下支えされているためかベタつく感じではなく爽やかな甘さ。 見た目の派手さ、飲みやすさだけにとどまらず酒好きの舌にも魅力のわかる非常に良い酒である。
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渡船2号 一白水成を飲むたびに、日本酒に出会えてよかったと心から思う。この世で一番美味い液体。 香り高く旨味は深く酸味は心地よく甘みは穏やかに。それらすべての調和が形作るはこの上ない幸福。 もし好きに日本酒の味を決めて良いと言われたとして何度目に辿り着けるのか。全てが私の理想である。 言うことなし。