これは…“軽やか”のイメージが覆る一本。
アルコール10.5%という驚きの軽さなのに、最初の一口で「うまい…!」って声が漏れた。
香りは控えめながら、メロンやスイカ、白桃のような果実のやさしいニュアンス。
口に含んだ瞬間、するっと伸びる柔らかな甘みと、静かに寄り添う酸。
そこにふわっとミルキーなコクが加わって、まるで心地よい夏のそよ風みたいに香味が広がる。
それでいて、ちゃんと“雅楽代らしい芯”がある。
甘すぎず、薄っぺらくなく、ちゃんと余韻が残る。
軽やかなのに、満足感がある。
この絶妙なバランス、ほんと奇跡みたい。
南風のすごさは、造りそのものが挑戦でできていることにもある。
白麹を使いながらも酸味を立たせすぎず、甘みとキレの共存を実現。
日和の製法に、花明かりの白麹の知見を加えたハイブリッドな挑戦で、
10度台の原酒という難関を美しくクリアしてる。
「ただの夏酒じゃない、これは雅楽代の未来」って思った。
気負わず飲めるのに、じんわり感動が残る。
これは、今年の夏、間違いなく推したい一本。