今日の最後はこちら!
グラスを近づけた瞬間に感じる、落ち着きのある吟醸香。
主張しすぎない、でも品の良さがじんわり伝わる香り立ちは、最初のひと口までの“間”すら心地よくしてくれる。
口に含むと、うすにごりらしいまろやかさと、メロンや洋梨のような柔らかく甘い含み香。
そこにさくらんぼのような愛らしい酸味がふわっと広がって、最後はすっとキレていく。
甘み・旨み・酸味がほどよく調和していて、全体の印象は“きれい”のひとこと。
派手ではないけど、しっかり芯があって、飲むほどに良さがにじみ出てくる。
麹米は山田錦、掛米は夢の香。
うすにごりらしいフレッシュさと透明感を持たせた、夏の寫樂。
食中酒としても優秀で、穏やかな時間にそっと寄り添ってくれる一本。
火入れとは思えないほどのみずみずしさと、丁寧に設計された余韻の軽やかさ。
静かなトーンの中に確かな存在感があって、「これはやっぱり寫樂だな」と思わせてくれる夏酒でした。