Hori
吟醸酒のような新しい本醸造酒「amayadori」のprototype3連作の2作目、宿雨。
宿雨とは連日降り続く雨、または前夜から降り続ける雨を表す言葉だそうです。天泣に続いて雨にまつわる綺麗な言葉のネーミングです。ラベルのイラストはそんな降り続く雨を窓辺で眺めているシーンでしょうか。
この宿雨は天泣と同じく特別本醸造の無濾過生原酒。2本をグラスに注いで並べると、見た目は全く一緒です。味の系統も似ていますが、飲み比べると違いがはっきりとします。
口に含むと甘味と酸味があってフルーティなのはどちらも同じですが、天泣がパイナップル系の強い甘みを感じたのに対して、宿雨は裏ラベルにもある通り完熟みかんのような雰囲気。
早めに訪れるキレのある余韻も似ていますが、宿雨は天泣ほどの辛さはなく、丸くて優しいのでよりジューシーさを感じます。苦味、渋味の複雑な後味の天泣に対して、酸味でスッと綺麗な後味の宿雨。
傾向の違いはあれど、どちらもトレンド感があっておいしいお酒だと思いました。個性のある天泣とやや洗練された宿雨という印象です。こうなると、3作目の祝祭がどんなお酒なのか、今から飲み比べが楽しみです。