Hori
季節の変遷に合わせた寒菊の限定酒Ocean 99ですが、冬の銀海から始まり、春の凪、初夏の空海で3本目になりました。
凪を飲んだのが2月上旬だったので、実に4ヶ月ぶり。購入からも2ヶ月経っての開栓ですが、初夏の空を飛ぶ飛行機をイメージしたお酒とのことなので、飲むには良い頃合いだったかもしれません。
開栓時はプシュっとガスが漏れる生きの良さ。グラスに注ぐと細かな気泡が浮いてきます。香りは醪由来の芳醇な甘さと同時にフレッシュ感あり。
味わいはまさに寒菊。甘くて旨みが強くてフレッシュ。言われなければ火入れと気付けないほどのフレッシュさがあります。さらに酸味から来る果実感がありながら、後口にはスッキリとした苦味。鼻に抜ける爽快なアルコール感が初夏の伸びやかな青空をイメージさせます。それら各要素が破綻することなくまとまった見事なバランス。そして僅かだが明らかに感じる寒菊ならではのニュアンス。水の個性なのか、酵母由来なのか、設備からくるものなのか、言葉にするのは難しい寒菊らしさが味わいの中に確実に存在します。トレンドの中でも埋もれない存在感は、そんな「らしさ」によるものかと気付いた一本でした。