Hori
射美のブラックをいただきました。
低精白のお米のことを酒造りでは黒い米と呼ぶそうで、精米歩合80%の超低精白米を使用したチャレンジングなこのお酒にピッタリのネーミングです。
裏ラベルの記載によると、ブラックは10年ぶりに造られたそうです。決して思い通りの出来上がりではなかったとのことですが、思い通りではないというところに逆に興味を惹かれました。
グラスに注いだ外観はやや黄色みがあって、完全にクリアでもなければ濁っているわけではなく、少しモヤがかかったような感じです。香りはいつもの射美の雰囲気。口に含んだ第一印象も甘みが主体のいつも通りの印象ですが、その直後に押し寄せる苦味、辛みが低精白ならではの雑味なのでしょうか。更に玄米のような香ばしい穀物感が、確かなお米の存在感を感じさせてくれます。
野生みのある無骨なこのお酒を飲むと、普段飲んでいるお酒がどれだけ洗練された味わいなのかを再認識することができます。また、酒造りにおける精白の意義など色々なことを考える良い機会になりました。
酒蔵さんにとっては思い通りのお酒ではなかったのかも知れませんが、個人的には良い経験をさせていただきました。