Hori
2本目の大嶺は春風かすみ生酒 愛山です。
澱が漂う見た目にも特別感のある一本です。大嶺のボトルはプリントボトルなので、澱が舞う様子がよく見えます。
味は以前に飲んだ火入れ愛山に似ていて濃い甘さ。同時にじわーっと舌に感じる苦味。他のお酒ではあまり感じない特徴的な爽快感のようなものがあり、味の濃さの割にスッキリと飲める不思議な飲み口のお酒です。
ガス感ともアルコール感とも違う、由来のわからないこの爽快感のようなものは何なのか考えながら飲んでいたのですが、3杯目くらいで、これは仕込み水の味ではないかと思い至りました。よく聞くミネラル感というものをこれまで感じたことがなかったのですが、もしかしたらこれがミネラル感かもしれません。優しい感じというより輪郭がはっきりとした味わい。だから苦味やアルコール感が埋もれることなく伝わってくる。それがこの爽快感の正体のような気がします。
水の特徴を生かしたお酒。水の個性と醸造で得られる味わいを隙間なくパズルのように組み上げたような完成されたお酒の印象。この水だからこのお酒に「なった」ではなく、この水だからこのお酒に「した」という能動的な酒造りを感じます。