susan
冷酒
圧倒的静寂。圧倒的清浄。飲むのが怖いほどに。シンナー遊びでもしているかのように、嗅ぎ続けるほかない
飲む。感想が浮かばない。言葉では表現できない。過去に飲んだ冷酒の中で、確実にtop3に入る。この辺りになると、旨いとか不味いとか、そんなことは考えなくなる。喜び、感動、恍惚
次に40℃
極めて穏やか。ずっと嗅いでいたい。飲む必要すら無いと思う
しかし飲む!緩やかな中に、何かの古香木を燃やしたようなニュアンス。以前飲んだ生酒とここまで違うか!飲んだ後、説法を受けた後のように心も口内も締まる!
次は50℃
どっしりと腰を下ろした香り。横長の楕円形に膨らむ
飲む。何かがパッと開いた。遠く離れ離れの親友に数年ぶりに再開したような心の開き。何か照れ臭いような。心地よいほろ苦さは、舌でのみ感じているわけではないだろう
最後に60℃
再び静寂。清浄
飲む。旨味、甘み、コクのバランスよ!何も言えない。ただ一人頷き続けるしかない。ただただ敬意を表したい
飲む自分史。どう飲んでも旨い。感涙の一本。静かな夜に一人で、スマホの電源を切った上でお楽しみください。そこには喜び、嬉しさ以外何もありません
susan
後日65→60℃の燗冷ましで。相変わらず説明不要の喜び。少しの酸味が出て、より深い味わいに。この酒の素晴らしさを一つだけ挙げると、それは香りだ。飲む必要などない。嗅いでいるだけで幸福な唯一無二の酒!