赤俠猪
純米系ばかり飲んでいて、 醸造アルコール添加系などまともに見たことさえなかった。
宗玄に出会うまでは。
「顔面を平手打ちされる」とはまさにこのことかと痛感した瞬間だった。
どう表現すべきか。
知名度もなく、価格も手頃で、 ワインの世界に例えればテーブルワインのような存在。
しかし『天龍八部』の世界観で言うなら、 宗玄はあの「掃除僧」のような存在だ。
「念々忘れず、必ず響きあり」とはよく言ったもの。 日本酒の世界は未だに謎に包まれているが、宗玄はまさにその謎から生まれた響きそのものなのだ。