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相模灘美山錦 純米吟醸
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大家さんが、剪定したツツジをくれた。 妻がそれを玄関に生けてくれる。 今年の春は、梅に始まり、ミモザ、桃、桜と随分と花に心を潤してもらった。 人が歳をとるにつれ、ツツジたちはより一層美しい。 すなわち、花の命は短くない。 今宵の酒は神奈川の相模灘、美山錦、純米吟醸。 行きつけの地酒屋の店主は、昔は神奈川の酒は不味くて呑めたものではなかったが、この酒は違う、という。 何回呑んでもピンとこない、いづみ橋が、自分の中で神奈川の酒を遠ざける要因になっていた。 旨みがある、との店主の言葉通り。 酒自体から芳香されるものよりも、口に含んでからの含み香のほうが好みではあるものの、甘い香りは悪くない。 微発泡。新酒のような青さを感じる良い意味での硬さ。 入口は甘く、出口は晩柑の渋皮のような苦味さえあり。 ひと啜りのなかにいろいろな顔を覗かせてくれる酒。