立山ギンレイ
蒼天原酒
冬限定の蒼天、ふくよかで濃淳な味わい
精米歩合55%/Alc.16%/濃淳フルーティ
吉川英治記念館帰りに。酒をちびちびやりながら今日の歩きを思い返す吉川英治の書斎では、瀬戸タイルの冷たさと、創作に沈潜した人間の熱が対照的で、机に残る気配がまだ生きているようだった。母屋の梁や釘隠し、梅の板まで自作した工夫は、作家というより職人気質そのものだ。
そして夜具地展。色柄の冴えが酒に響き、かつて青梅が織機の音で満ちていた時代の呼吸を感じた。つるし梅かざりの一つひとつに、産業の記憶と再生への祈りが宿る。最後に土蔵の白漆喰を撫で、1847年の棟札に刻まれた繁栄への願いを思う。今日見たものは、どれも土地と人が積み上げた歳月そのものだった。