mana
うっすらとおりが絡んだ見た目は、ほとんど透明。けれど口に含むと、その“ひとすじのにごり”がふわりとまろやかなニュアンスを添えてくれます。第一印象は、お米の旨みがしっかりと感じられるふくらみのある味わい。けれど重たすぎることはなく、むしろとてもバランスが良くて、クリアで上品な仕上がりです。
兵庫県東条産・特A地区の山田錦らしい力強さと繊細さが共存していて、奥行きのあるコク。おりがらみと聞くと甘めを想像しますが、これはほんのりとした甘さの中にすっと通るようなキレがあって、飲み飽きしない心地よさがあります。
新酒らしいみずみずしさと、義侠らしい芯のある旨み。派手さはないけれど、丁寧に醸された一本だなと、静かに伝わってくるお酒でした。しみじみと美味しくて、食事と一緒にゆっくり楽しみたくなる味わいです。