susan
まずは冷酒
杉樽と檜。森林伐採直後の山斜面の香り。
飲む。みずみずしい甘さ。ぼんたん飴のように優しく懐かしい甘さ。少しのぴりり。シルキー。飲み込むと、優しさが立ち昇る
次は45℃
杉香がますます立つ。奥にターメリックのようなスパイシーさを感じる
飲む。優しい。鼻腔を満たすコク。次いで、かなり強めの苦味。飲み込むと、舌下全体に残る強い苦味。淡麗でも濃醇でも辛口でも甘口でもない、不思議な感覚。上燗でここまで化ける酒も珍しい
次は55℃
濃い杉香。埃を被った納屋のタンス
飲む。米。やや酸が立つ。コクもあり濃醇で、どっしりと渋み。杉ヤニを噛んでいるよう。
飲み込むと、苦味と少しの渋みが残る
最後に65℃
納屋のタンスは埃に埋もれた
飲む。焼き藁の香ばしさとコク。しかしすぐに消えて無くなる。飲み込むと、深い深い米のコク
語ることが多すぎて500文字では足りない。温度によるぶっ飛んだ変化は何故だろう?埃とタンスの香りは、初めて経験した。懐かしく良い要素かも知れないが、私にとっては少し気になるオフフレーバー
非常に迷うがリピートはしないだろう。しかし菩提酛、もう一本試そうか?
susan
埃を被った納屋のタンスの香りの正体はお猪口だと判明した。最近手に入れたお猪口の台座の部分から発せられる匂いだった