susan
冷酒
生乾きの藁の香り。苦手な香りだ
飲む。口に含んだ瞬間、古い香ばしいさと酸味。それが消えると同時に、真水。とにかく美しい。飲み込むと、舌全体にうっすらと張り付く苦味。この苦味を追いかけると、淡い甘みが現れた
次に35℃
苦手な香りがやや落ち着いた
飲む。ゆるりとぬるく口内へ。シビレに近い渋みを芯としながらも、それを優しく覆うゆららかさ。舌元から鼻腔で感じる米。米そのもの。シンプルな米の旨味。飲み込むと、水。舌元に忘れさせない淡い苦味
次は45℃
再び強まる苦味な香り
飲む。まとまり、広がる相反する風味。淡い甘さを奥に、米の旨味とコクが強まる。アルコール感はかなり強い。飲み込むと、鼻腔に残るただただ心地よい余韻
最後に60℃
苦味な香りが強まり、やや醤油や味噌のようなニュアンス
飲む。炙った焼き藁に二滴醤油を垂らしたような風味が核。その周りを水まんじゅうのように淡く米の甘さが包む。飲み込むと、苦味と少しの酸味が謙虚に降りていった
名実共にクラシックな酒。最近の甘口、旨口から日本酒に入った方には受け入れるのは難しいかもしれない
リピートはしない。私は緑川は生酒が好みだ