うぴょん(豊盃こそ至高)
原料米 自然米(農薬・堆肥など肥料を一切使わず栽培した自然好的米)
精米歩合 90%
アルコール度数 15度
最近何かと評判が良い仁井田本家の日本酒。個人的には甘旨フルーティ以外の高みを求めるミニブームなので買ってみた。いざ参らん!
香りが...なんだこれは?焼きたてのパンのような素朴で甘い香りが漂う。こんな香りの日本酒は未知である。柔らかく、やや粘性がありミネラル質で透き通るようなふしぎな仕込み水。そこから現れるは、焼きたてのパンみたいな甘味、どっしりと構え引き締まる米の旨味がこれでもかと躍動する。生酛ならではか酸味も微かにあるがとにかく旨味どっしりである。重厚なのに軽快で、力強いのに優しい、この矛盾が共存する逸品が田村であった。喉奥に微かなキレを感じつつそれは消えていった。
近年の人気酒では葡萄のような甘酸っぱさでワインのような日本酒と持て囃されるものも増えている。もちろんこれらもとても美味しく好きである。
だが少なくとも、米が原料の酒において、赤ワインのような重みと余韻と複雑さと単純さを兼ね備えた銘柄はと聞かれたら、迷わず田村を飲むであろう。今宵も、ごちそうさまでした!