mana
ふわっと立ち上るのは柑橘やマスカットを思わせる爽やかな香り。軽やかで透明感のある香りの奥に、やさしく甘やかな果実のニュアンスが漂います。口に含むと、軽やかな飲み口とともに、サイダーのような爽快さと、ジューシーな酸味が広がり、すっと心地よく引いていく余韻まで、とてもクリーン。
この「ゆめかなえ」という酒米は、千葉県で開発された低グルテリン米。タンパク質が少ない分、雑味が出にくく、クリアな酒質に仕上がりやすいのが特徴です。麹の造り方や使う量を工夫することで、甘みや旨みを丁寧に引き出しつつ、アミノ酸の生成を抑えた、繊細でピュアな味わいを実現しています。
さらに近年注目されている香気成分「4MMP」──ライチやマスカットのような香りに関与する成分──の存在も、このお酒の華やかな香りに関係しているかもしれません。このお酒が生み出す上品でジューシーな香りは、まさに現代の日本酒らしい軽やかな楽しさを体現しているように感じます。
冷やしてキリッと、少し温度を上げて香りのふくらみを楽しんでも◎。
日本酒ビギナーから飲み慣れた方まで、幅広くおすすめできる一本です。