なべ
今年こそ、以前お世話になった方が営む壱岐の宿に行こうと、しかし事情と世情ゆえ断念。かわりにと言ってはなんですが、麦焼酎発祥の神話の島、壱岐にて再始動した蔵からの一本です。
グッとくるアルコールと厚い甘味が両先鋒となり、少し収斂性を感じる苦味が後陣に控えます。壱岐の海で釣れる旨味が甘さにシフトするピッチピチのヒラマサを塩で、ツマの蓼の芽を少し齧った、そんな感じでしょうか。酸味も添えるとすると、カボスをキュッと薫らせるくらいが丁度良いでしょう。このお酒の印象が、酔った頭の中で妄想フードペアリング。
動物が本能的には忌避すべき苦味(植物に含まれるシュウ酸や毒性の高いアルカロイド等が自然界の苦味の代表格)や酒精分(エタノール分解能を持つ酒好きは霊長類くらい、らしい)、オトナになるとどうしてこんなに好きになってしまうんでしょう。
ヒラマサの造りも、苦味や酸味が寄り添うからこそ旨味が弾けます。人生も、チョッピリ苦味や酸味があってこそ楽しく、そしてほろ酔いくらいが丁度良いのかもしれません。あ、これは中年オヤジの言い訳ですね。
今年の夏は諦めましたが、またいつか行けるさ、壱岐。かんぱーい