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きむにゃ
「これまたビックリ仰天だ」 ここまで軽やかな口当たり。山月記の李徴のように虎になるまで、傲慢に荒々しく主張することがなかった。 水鳥記は正に白鳥のごとく透明で胃液に直接何かを訴えてかけてくるようなミステリアスな雰囲気を醸し出している。 思い出してみよう。昼休み真っ先に校庭に出かけたあの学生時代に1人教室に残り、当時文字ばかりで嫌悪していた小説を1人で読むような高嶺の花を。 何やらそんなあの子のことを気になっていたのは僕だけではなかったはず。