Kaori
色調は少しイエローがかる。
香りの印象はまさにチョコレートやココアといった印象が強い。日本酒でここまでチョコレートっぽい香りがでているのは初めて出会った。香りだけでは日本酒とは思えないほど。
少し時間をおくと、酸味を思わせる香りが強く出てくる。蔵付き酵母由来なのか、ビネガーのような、独特な酸味を思わせる香り。そこに、生クリームのようなまろやかな印象があり、全体としては、独特ながら、甘めで柔らかにまとまっている印象。
味わいは、香りの印象とはまた全く別。
アタックはコクのある甘味がしっかり。広がりのかなり早い段階からしっかりとした旨味があり、酸味もしっかりしているものの、「爽やか」や「溌剌」といった印象ではなく、じっくりとコク、旨味を伴うような酸味。精米歩合80%ということもあり、味わいの要素は多く複雑。そこに樽由来なのか、タンニンのような苦味のようなじわりとした上品な味わいと、鼻に抜ける木材のようなアフターフレーバーが、より複雑味を増させる。味わいの要素はどれも強く、全体としてはとてもしっかりとした飲みごたえのある酒質。