置き時計
やっと、このお酒の栓を切れた。
このお酒はある女性の父親からもらったものだ。
彼女は、三人の子供を出産、育児し、仕事を続けた。ご主人も両親も公務に携わる仕事をしている。働く事が必然だった。しかし、三人の子供と仕事の両立は物理的にも精神的にも当事者しか分からない辛さがある。
悩み苦しんだが、勤めていた会社を退職した。知り合いだった父親は、このお酒を持って私に答えを求めに来た。
それから3ヶ月経ち今日、その答えになるか分からないが、私は自分に答えを出した。
自分で自分の新たなスタートに、このお酒を飲み干した。