田中 楽
2018年11月、渋谷の虎視眈々でこの日の6杯目として。
蔵元は、滋賀県高島市の「株式会社 福井弥平商店」。「十水仕込」という手法で造られた特別純米酒。ネットで調べると「十水仕込」とは、現代の仕込方法に比べて少ない水を用いて濃厚な状態で仕込みを行う手法と説明されています。
この蔵のブランドである「萩乃露」のサブブランドとして「雨垂れ石を穿つ」という変わったネーミングが施されていますが、ラベルに敷き詰められたグレーの模様は感嘆符「!」を表していて、これを「雨垂れ」と読むことから、この名前がついたようです。
ことわざとしては「点滴岩(石)を穿つ」とも言いますが、「雨垂れが長い間には石に穴をあけるように、小さな事でも根気よく続ければ大きな事を成し遂げられる」という意味(似たような意味のことわざに「虚仮(こけ)の一念岩をも通す」というのもありますね)。この名前には、丁寧なお酒造りをしようという思いも込められているように感じます。