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蘭の譽原酒
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なべ
岡山備中の地酒。さけのわでは登録されていない山成酒造さんより。備中井原と高梁を結ぶ旧道沿いにある文化元年創業の古蔵。谷崎潤一郎氏も飲まれたらしいですが、現代の流通では地産地消激レアのようです。 甘さを軸にアル添でキック力を補完した昔造りのスタイルと見受けます。備中お酒は総じて甘さ押し、冷やしてキュウっと。朝出がけの、帰宅して冷蔵庫からお猪口に一杯、麦茶がわりにが私好み。 備中は雄町に代表される米どころ。過日はそれこそ村々に造り酒屋があって本当の地酒を醸していたのでしょう。度重なる戦争や災害、食生活の変化、大量消費に即した量産流通体制など向かい風の中、たくさんの地酒蔵がその酒を愛飲していた人々とともに消えていった。たまたま通りがかった時が止まったような蔵で求めたこのお酒には、人気のある銘柄をいただく時とは全く異なる、なんだろう、寂しいような懐かしいような感覚を覚えます。